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社内SEを目指す就活生へ

新卒、中途、異動など理由は様々かと思いますが、社内SEを目指す方に向けて現役社内SEの現状をお伝えします。
ざっくり書くと以下のとおりです。

  • 新卒には社内SEをお勧めしない!
  • 中途での社内SEは、性格によってはアリ!
  • 異動で社内SEになるのはもうちょっと冷静になるように!
目次

私について

  • 社内SE歴9年目
  • 新卒でメーカー系子会社の中小企業(製造)に入社、以来ずっと社内SE
  • 大学院卒
  • VB.NET、VBAを主に使用(難しい事はしない!!)
  • BATやVBSも必要に応じ作成(主に設定、ファイル移行など)
  • ネトゲ廃人経験アリ
  • 非情になれない生ぬるい性格

私が所属する組織について

  • 会社…数百人規模の中小企業。
  • 部署…数人程度の少人数組織。連携ほぼ無し!
  • 社内SEとしてのサポート対象…社内全体。感謝も恨みも買いますw

社内SEの業務

 どのような会社の社内SEかにもよりますので、あくまで参考程度にしてください。

社内SEに求められるモノ

他の会社の社内SEもそうだと思いますが、以下3点に尽きると思います。

  • 他部署の仕事の停止時間を如何に減らせるか
  • 他部署のムダ業務を如何に無くせるか
  • 社内の情報セキュリティ強化、維持

実際の業務

  • ヘルプデスク(PCトラブル対応)…業務全体の6割
  • 事務業務…業務全体の2割
  • 業務システム開発、運用…業務全体の1割
  • 社内情報セキュリティ管理、教育…業務全体の1割

社内SEに向いている人

私の実体験をもとに、以下5項目を書いてみました。
全部を満たす必要は無いですが、一致する項目が多い人ほど向いていると思います。

  1. 社内調整が苦にならない人(他部門との改善計画、作業分担など)
  2. 優しくありつつも、つけこまれるスキが無い人(いざとなれば気が強い人)
  3. 人のお世話をするのが苦にならない人
  4. PCいじりが好きな人
  5. 新しい技術やツールに抵抗が無い人
  6. ムダを見つけるのが得意な人

①社内調整が苦にならない人(他部門との改善計画、作業分担など)

業務改善やPCサポートなど、業務の性質上、他部門と関りを持つことが多いです。
特に業務改善では、他部門の協力なくして成功に導くのは至難の業です。
そのため他部門と綿密に話を進めながら業務を進める必要があります。
時には相手にお願いをしなければいけないし、憎まれ口を言われる事も多々あります。
それを真に受けるか否かで、性格面の適正が決まると思います。

ちなみに私は結構引きずるタイプで、嫌な事があると結構根に持ちますw

②優しくありつつも、つけこまれるスキが無い人(いざとなれば気が強い人)

上にも書いたように、他部門の協力を得ながら進める業務が多いです。
うまく進めるコツは、なるべく相手側に難しい事はさせない事です。
ボリュームは多くとも、ITの専門知識が絡むようなものはNGです。
そうならないよう相手を気遣う必要はありつつも、お互いがすべき事はハッキリさせなきゃいけません。
下手に優しくしすぎるとつけ上がられ、本来相手がすべき事を押し付けられる可能性があります。
そうならないよう断れる強さも必要になります。

私は断るのも下手くそですw
なんで社内SEやってんだろうってつくづく思う!!
ん、もしや忙しいフリすれば良いのだろうか!?

③人のお世話をするのが苦にならない人

会社にはいろんな年代の人がいます。
まだ10代の若い人から60過ぎのおじちゃん、おばちゃんまで。
年代批判をする訳じゃないですが、やはり年配の方はPCに疎い方が多いです。
PCの基本的な操作で躓く方すら結構な割合で居ます。
そうした方に、難しい言葉を使わず、如何にかみ砕いて教えてあげられるかが重要です。

この点に関しては、私はあまりストレスを感じません。
助けてあげれば感謝されるしね!

④PCいじりが好きな人

これは想像つくと思います。
本当に色々な機器、設定を触ります。
立ち上げ時だけではなく、故障時も!!
これを面倒くさいと思うか否かで、適正が分かれるのではないでしょうか。

この点に関しても、私は割と合ってると感じています。

⑤新しい技術やツールに抵抗が無い人

その会社のIT化が進んでいるか否かは社内SEにかかっていると言っても過言ではありません。
部門が積極的にIT化を進めるケースもあります。
しかし小企業では、社内SEがその辺を取り仕切っている場合が多いと思います。
業務改善には新しい技術やツールが必要になる事が多々あります。
ここに抵抗があると、曲がった改善の仕方になったり、余計なストレスを抱えることになります。

新卒から社内SEを目指す方へ

まず、結論を書きます。
新卒で社内SEはやめとけ!!!!!!!
私は新卒で社内SEになったことを心底後悔しています。
バリバリのSEが中途として社内SEになるのは、その人の性格によってはアリです。
間違っても私のような、気の弱い陰キャ人間がなる職業ではありません!!

新卒で社内SEを勧めない理由

  • 技術力が身に付かない
  • 属人的な業務が多く、先輩に頼り切りな状況から抜け出しにくい
  • スケジュール感が身に付かない

技術力が身に付かない

まず、開発業務自体が少ないです。
というよりもヘルプデスクの比重が大きいために開発業務に時間を割けません。
また、開発に使う言語はVB.NETやC#、VBAなどが主になります。主に社内の事務業務(EXCEL作業)やWindowsアプリケーションを開発するためです。
多くの情報系学生は、CやJavaなどの開発経験はあっても、VB.NETやVBAは使ったことがない人が多いでしょう。そのため即戦力になり得ない可能性が高いです。
大企業の社内SEであれば、社内SEとしての研修などがあるかもしれませんが、そうじゃない場合は先輩の技を盗むか、独力で学んでいくしかありません。

属人的な業務が多く、先輩に頼り切りな状況から抜け出しにくい

社内SEは、その会社や部署の仕事のやりかたを知らなければいけません。そうじゃないとベストな改善を提案できないからです。
バリバリのSEとして経験を積んだSEであれば、ベストとまでは言えずとも、ベターな提案はできるかもしれません。しかし開発経験に乏しい新卒社内SEでは、何もできない可能性が高いです。
結局、対象部署の役に立つことができず、自信だけではなく相手部署からの信頼をも失う事になります。

スケジュール感が身に付かない

これも大きな理由の一つです。
基本的に商売相手は社内の人間です。
そのため開発の期限などは自分でコントロール出来てしまいます。これは良い事でもあり、悪い事でもあります。
何故なら「どれぐらい時間がかかるわからないからとりあえず期間を長めにとる」という事が出来るため、本来かけるべき時間が見えにくくなってしまうからです。
社内SEとして長年経験を積めばある程度の間隔は身に付きますが、期限を長めにとるクセが付いてしまいます。
私自身、開発のお願いがあった時は必ず期限を長めにとるようにしています。

その他、お勧めしない理由

私のような大学院卒の方には猶更お勧めしません。
なぜなら、大学院まで学んできたことをほとんど仕事で使わないからです。開発業務についても、学部時代、さらに言うと工業高校卒業のレベルでこなせる内容がほとんどだと思います。

中途で社内SEを目指す人へ

新卒で社内SEを目指すのとは違い、中途であれば、社内SEを目指すのは非常にお勧めです!!
ただし社内SEは能力だけではなく、性格的な適性が必要であると感じています。
自身にマッチすると思うかたは、積極的に目指すことをお勧めします!!

  • 必要な技術が身に付いている
  • 会社・部署の業務を知らずとも、ある程度の提案をするだけの知識がある
  • スケジュール感が身に付いている
  • 会社側(特に社内SE部署)もSE経験者を求めている

必要な技術が身に付いている

SEとして様々な客先を相手にしていれば、扱う言語は自然に増えると思います。
社内SEとして求められるのは主にVB.NETやVBAですが、バリバリのSEとして働いていればそれ以外の言語も使えている事かと思います!!
近年はWindows以外のOSが台頭してきており、OSに依存しないアプリケーション(特にWeb系)は非常に重宝されてくると思います。
私自身、「このアプリケーション、Windows以外でも動かせれば良いのに…」と思う事が多々あります。

余談)大企業の子会社でも、意外とIT化が進んでいない

大企業の子会社であったとしても、意外にも社内のIT化は進んでいないものです。
「え、こんな事手作業でしてるの!?」
と思う事がわが社でもたくさんあります…。
企業機密扱いになるので詳しい事は言えないんだけども!!
ここで言いたいのは、現役バリバリのSEであれば、その技術力で社内のIT化を進められまくるという事です。
抵抗勢力がいなければ!!!←ここ重要!この辺に付いては別の記事でお話しします。

スケジュール感が身に付いている

通常のSEであれば、社外の会社・人間相手にアプリケーションを提供し、その対価としてお金を受け取っている事かと思います。
その場合、もちろん「いつまでに」という話があるはずです。
そのため常にスケジュールを意識しながら働いているかと思います。
開発と納品のサイクルが早ければ早いほど、儲かるでしょうし。

ところがどっこい!社内SEの場合、割とざっくりな期限の決め方をする事が多いです。
例えば「8月末まで」とか「期末まで」とか。
大体の場合、余裕を持った期限を設定できます(会社により差はあると思います!)
これは一般のSEと違い、直接的なお金のやり取りがない開発であるからだと思います。
社内SEにとって重要な役割の一つが「業務を停止させない事」です。
そのため、お金の授受がないのに無理なスケジュールを立てて不具合を起こす(=業務を停止させる)ことはナンセンスという訳です。

ちなみに私は期限の立て方が下手くそですw
よくアタフタしてます!!

異動で社内SEを目指す場合

「社内SEの部門(情シス)っていつも知恵袋見てるよな…暇そう」
「社内SEってPCの設定やってればいいんでしょ?楽じゃん」
「情シス入ってソフトウェア開発したい!楽しそう!」

↑こんな風に考えてる人、今すぐその考えを捨てるんだ!!!

「社内SEの部門(情シス)っていつも知恵袋見てるよな…暇そう」と考えている方へ

Yhoo知恵袋で「おいしい料理の作り方」とか調べてたらその社内SEはアウトですが、
大体の場合、PCのトラブルで調べ事をしていると思われます。
トラブルの前例が少ない場合、調べに調べまくっても1日で解決できない…なんて事さえあります。
そこまで難航する時は、解決策というよりも回避策を探しますけどね。

「社内SEってPCの設定やってればいいんでしょ?楽じゃん」と考えている方へ

確かに、PCの設定作業はよくあります。
色んな種類の端末を設定します。
サーバ、デスクトップ、ノート、タブレット、2in1ノート、スマートフォン…など。
PCいじりが好きな方にとっては、とても楽しい時間だと思います。

だがしかし!!
会社の規模が大きくなるとPCの台数が膨大になり、設定作業を分担する事になります。
この分担というのが厄介なんです。
PCの知識がある人との分担なら然程苦労はしません。
しかし素人との分担になると、素人でも設定作業を進められるよう手順書を作る事になります。
手順書の表記と実際の画面が違ったりすると、人によってはネチネチと責めたててきたりしますw
ちなみに手順書に不備が無くとも、OSバージョンの差などで設定画面が変わる事はよくあります!
会社の規模が大きくなればなるほど、設定作業は無くなり、手順書整備や方針決めが主になる事でしょう。

ちなみに私が所属する会社は数百人規模で、設定作業も膨大かつ手順書整備もやってます(;’∀’)

「情シス入ってソフトウェア開発したい!楽しそう!」と考えている方へ

会社により差はあると思いますが、私の全業務における開発の割合は…たぶん1,2割ぐらいです。
私も入社前は、もっと開発があるものと思ってました。しかし思った以上に開発に手が出せない!!
業務の大半はPC・システムのトラブル・質問対応って感じです。
あとは設定手順の整備や事務作業、セキュリティ教育、改善のための部門との調整など。
基本的に他部署との関りが多く、それが結構ストレスになったりします!
友好的、協力的な人ばかりならストレスは少ないでしょうが、そうではないのが会社というところだ!

情シス=開発ではないという事を頭に入れておいてください!!

結論

  • 現役バリバリのSEが社内SEを目指すのはアリ!
    新卒の人は、通常のSEを経験してから社内SEを目指した方が良い!
  • 社内SEは人間関係で気苦労することが多い!
    人間関係でストレスを感じにくい人は天職!
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